イサムノグチと「あかり」
「僕は自分の作品に「AKARI(あかり)」という名づけました、ちょうちんとは呼ばずに。」とイサムノグチ氏は言っていました。「明かりという言葉は 太陽の光や月の光を部屋に入れよう という意味からこの言葉ができ、漢字の文字も「日」(太陽)と「月」とで出来ています。今日あまりにも生活が近代化し機械化した現代人にとって、自然の光に近い照明はまさに憧れであり、和紙を透かしてくる明かりには、ほどよく光を分散させ部屋全体に柔らかい光を流してくれる。「あかり」は光そのものが彫刻であり、影のない彫刻をねらって作ったものなのです。と語っていました。また、僕にとって「ガラスやプラスチックよりも紙と竹と木という古来のものの方が、どんなに美しく、効果を発揮しているかは、いまさら言うまでもないほど。外国育ちの僕にはとりわけ行灯が畳の生活様式に合ったものとして、興味深く感じられる。とも話しています。1951年から制作された「あかりシリーズ」は100作以上が発表され、今日も世界中の人に称賛され、愛用されています。
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